photo 1千鳥橋付近 やっと太陽が photo 2 P878の稜線を見る |
地蔵平から始まる生活道のうち、富士見峠を越えて水ノ木への道は、大又部落(地蔵平)で 生活する人にとっては山仕事の道であり、二本杉峠を越えて上の原(中川温泉)への生活 道と同様にとても重要な位置づけの道であったことが想像されます。 部落から富士見峠には2本道があります。 1本は、P878・P936を経由する尾根道。 もう1本は、沢に沿って峠に至る道です。 登りの楽な沢コースとして昭和46年発行のアルパインガイドに紹介されており、このコース にこだわり捜してみました。 この沢コースは、道の位置がわかりませんでしたが、平塚営林署で購入した林班図に「富 士見歩道」として記載されており、必ず残っていると確信を持ちました。 |
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photo3林班界標(林班図と照合すれば位置の確認に便利) photo 4 沢への下り口 |
朝日の届かない大又沢林道では、千鳥橋を過ぎた9時ごろより、日が差し込み始めました。 大又の地蔵尊は、チャンチャンコ着て帽子をかぶり、外は寒くても暖かそうです。 山の神様に安全登山をお願いして、今日はすぐに地蔵平から富士見峠に向けて出発です。 富士見橋を渡り、白石沢林道をしばらく歩き、林道が右に大きくカーブする場所でシキリ沢 に下り、沢を渡って富士見峠の道を捜しました。 |
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photo 5 明確の道 photo 6 道崩壊 |
古いアルパインガイドには、右岸の車道から右折し富士見峠への道に入るとありますが、 今は車道などありません。 沢に沿って右岸を捜しながら進みました。 沢が合流する付近が入口と想定しておりましたがありません。 さらに進んで、踏跡を見つけましたが、富士見峠の道か、植林地内の作業 道か不明確ですが、そのまま道を追いました。 |
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photo7 道崩壊 photo 8 歩き難い道 |
イデン沢の堰堤が右下に見える付近で、ガレ場をトラバース。その次は沢を渡る場所で道 崩壊、3ヵ所危険な個所があり慎重に通過しました。 (photo6はかなり危険なので注意) 歩く人は少ない様子ですが、2ヶ所ピンクのリボンがあり、富士見峠へ向かっていることが確 認できます。 歩きやすくありませんが、道跡を追うことはできます。 |
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photo 9 下に沢を見て登る photo 10 下の堰堤 |
段々と沢が近くなり、右岸に沿って登って行きます。 大きな滝はありませんが、なめ状の滝になっています。 V字の谷を過ぎ、沢に下りたいのを我慢し、出来るだけ旧道を追いましたが、倒木やヤブで 非常に歩き難い道です。(photo 8等) 沢も上流部分に入り、水は無くなり穏やか渓相となりました。 道が無くなる頃に自然に沢に下ります。 |
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photo 11 沢に下りて歩く photo 12 上の堰堤右の尾根を登れば |
しばらく緩やかな沢の中を歩くと、鉄骨組に石を積めた堰堤があり、さらに進むと同じ形の 堰堤がもう一つありました。 朝の浅瀬ゲート湯山さんは、地元の方と雑談中で、挨拶すると、「今日はやってないよ!(狩 猟)」とのことでした。 最近は、ゲートを通る時は、必ず挨拶をしております。 今日は、「地蔵平から富士見峠、織戸峠、水ノ木です」と言うと、地元の方は「ぐるりと一周す るのか?」、「鹿に会えるよ」と言っていました。 その鹿は沢の源流部に群れていました。ハンターは居場所をよく知っています。 |
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photo 13 峠を下から見て photo 14 ここの少し下で出た |
富士見峠が近くなり、下から稜線が見えます。 峠に直接詰めるには、堰堤上の二俣の中間尾根を登るのでは、まだ早いと判断。地図と照 合し、もうしばらく登り次の二俣から左の沢をつめることとしました。すぐ上に峠がありそうです。 飛び出した場所は峠ではありませんでした。 結果ですが、堰堤上の二俣の中間尾根にあった、はっきりした獣道を登れば峠に出たかも しれません。 出た場所は、「富士見峠から大栂山に向かう稜線上林道」のすぐ下でした。 |
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photo 15 富士見林道から富士 photo 16 富士見峠 地蔵平への道 |
看板の裏から林道に上がり、小休止、11時45分。 標高差約300mに、2時間15分を要し、やれやれです。 看板うらから富士見峠に下り、dnさんからお知らせて頂いた巣箱で富士見峠であることを確 認しました。 倒れた道標は見けることが出来ませんでした。 地蔵平に下るはっきりした道、何時か歩いて見たい尾根の道です。 |
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photo 17 織戸峠への入口 photo 18 P803側面の道 |
まだ時間は12時前です。 富士見峠が終了し、ここから織戸峠まではs-okさんや丹沢自然保護協会さんの資料で調査 済みです。 林班図には林道下に旧道かありますが、林道をメリット5に歩きます。 メリット5からカヤトのヤブ尾根道を下り、右側に旧道を捜します。植林地内に入りはっきり した旧道が見つかりました。 P803左側を巻いて、法行沢が近くなりそのまま道を追いました。 |
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photo 19 法行沢から織戸峠への入口 photo 20 織戸峠への道 古道の風格 |
この道は法行林道に下りる道でもあり、そろそろ沢を渡るころです。 P803を巻き過ぎたと判断し、強引に沢に降りました。 結果的に沢に下るのはまだ早かったようで、そのまま旧道が不明確になる地点まで下り、 沢を渡るのが正解です。 P803の側面の地形を注意していればわかったはずです。 沢に降りた二俣地点で、GPSで現在地の確認をして、もっと沢を下ると織戸峠の入口があ るようです。 惑わされたのは、「入口にはテントが2〜3が張れる広い場所がある」との記載です。 降りた場所にもそのような場所があります。 |
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photo 21 織戸峠 西丹沢のど真ん中 photo 22 織戸沢源流部 |
右岸の入口を捜し下るとまた同じような広い場所がありました。 少し戻り沢の合流する部分で、コンパスで沢の方向を確認。 もう少し下り、尾根を巻いた先に入口がありました。 はっきりした道とささやかな赤テープが見印です。 この沢の源流部分は、同じような「なだらかな地形」になっています。 この道に入ればまもなく織戸峠です。途中一ヶ所大きなガレ、谷に下りてから対岸の道に上 がりました。 織戸峠に到着です。 道は十字路で、左椿丸・右菰釣山・下りは水ノ木です。 山深い場所で、峠の雰囲気のするいい峠です。 |
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photo 23 P709 付近 ここから林道へ photo 24 富士見林道に上がる |
いつかは、菰釣山から織戸峠に降りて見たいものです。その場合は、菰釣山の避難小屋に 1泊するしかありません。 水ノ木へには、峠からはっきりした道があります。それを追って左にトラバースして下って行くと道がすぐに不明確になりました。 そのまま尾根を直進する道と、尾根にトラバースする道に別れます。 後者を行くと、ガレで進めません。そのまま、V字の沢床を下って行きました。 枯葉の下が凍結しすべりますが、滝はありません。 沢の合流点に出て、沢に沿った右岸道を捜して歩きました。 沢の中のP709地点の上には、地形図には出ていませんが、林班図によると奥に林道が延びています。 P709からヤブをわけ林道に上がりましたが、結果は、もう少し沢を下りれば、ヤブの無い場所で林道に上がりることができます。 林道に上がり、もう道に迷う心配はなし、後は長い林道を歩くだけです。 |
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photo 25織戸沢合流地点 左側の尾根から沢に出た |
ちょっと予想外であったことは、林道のショートカット道が鹿ネットで歩き難かったことです。 織戸沢の合流地点に出て、林道に上がり水ノ木の山の神様を捜しましたが、すぐには見つ からず、次回にしました。 水ノ木には、まだ多くの建物が残っています。 「山北町史」によると水ノ木には、分教場があった時代もあったと記載されています。 水ノ木部落は、ここを中心としてどこに展開されていたかは、今後の課題です。 水ノ木発 14時50分、暗くならないうちに浅瀬に着くように林道をひたすら歩きました。 今日は、長い休憩は取らず良く歩いた一日でした。 浅瀬の湯山さんは、夕食の準備で忙しく、声をかけることは出来ませんでしたが、毎回顔を 見るたびに、怖いイメージは消えていきます。、 |
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地蔵平で生活していた人も頻繁に利用したであろう、この道ですが、 古いガイドブックのコースタイムは *日地地図(昭和38年版) 地蔵平〜富士見峠(尾根コース) 1時間 富士見峠〜織戸峠 30分 織戸峠〜水ノ木 30分 計 2時間 *アルパインガイド丹沢道志山塊・三ッ峠(昭和46年発行) 地蔵平〜富士見峠(沢コース) 1時間 富士見峠〜織戸峠 25分 織戸峠〜水ノ木 55分 計 2時間20分 *私のコースタイム 地蔵平〜富士見峠(沢コース) 2時間20分 富士見峠〜織戸峠 1時間20分 織戸峠〜水ノ木 1時間30分 計 5時間10分 実際歩いて感じたことは、道さえしっかりしていれば、長い登りが少ないので、十分実用的な道であったと思われます。 |
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相撲や武道では、「心」・「技」・「体」という言葉を使います。 登山も同じです。 「心」は、山に登る動機づけ、 「技」は、道の無い山を歩く地図読み等の登山技術と判断力、「体」は体力です。 特に単独の場合は、「心」の持ちようは重要です。いつでも行くことは中止出来ますので。 私の場合も事前にルートの下調べから登る動機づけをして、充実感のある山歩きを続けたいものです。 |
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