西丹沢・山市場〜不老山〜不老の活路



「56本の道標がすべて1本も残らず破壊されました。
この非道 許さじ」  と編み笠の素浪人が
刀を持って言っているように見えました。

【日 時】 2006年9月17日(日)  2人(Hさん)  曇り      
【コース】 自宅 6:15 〜 茅ケ崎駅 6:44 〜 国府津 7:08 〜 谷峨 7:47  〜 棚沢キャンプ場 8:10 8:30 〜(途中休憩2回)  番ヶ平(尾根上) 10:20 
10:30  〜 不老山 11:20 12:30 〜 鉄塔NO1 13:20 〜 重大道標 13:30 〜 鉄塔NO2(P614) 14:03 〜 谷ヶ山(P525・城山別れ) 
14:30 〜 P484 15:00 〜 鉄塔NO3(明神線NO12) 15:12 〜 作業道入口(不老の活路入口) 15:25 〜  駿河小山 16:15 16:26 〜
 国府津  〜 茅ケ崎 
【資 料】  2万5千分の1地形図 「山北」「駿河小山」 ・ 「昭文社 山と高原地図28 丹沢」
【始めに】 三連休は、南アの光岳に行く予定で、早くから週間天気を気にしていました。 しかし秋雨前線の影響で曇り雨の予報です。台風も来ています。
 結果は行っていれば、まあまあの天気のようでした。 残念でしたがまた狙います。
光岳が不老山となりましたが、国境紛争尾根歩きの続き不老山〜駿河小山の間を歩きました。 ここも違った意味で、紛争が発生している場所です。
 道標が撤去されルート探しに苦労しましたが、運よく明神線の鉄塔管理道にぶつかり、不老の活路の入口に出ました。
せっかく設置した道標を撤去しなくてもいいのになー。


GPS軌道

カシミール3DとハンディGPSを使用して作成した「GPS軌跡」のページです。軌道が切れたり飛んだりしていますが、
修正してありません。そのような場所は、
衛星の電波を受信できない杉林のような場所です、また、軌道は、
1分隔で記録しております。また、正確な縮尺はわかりませんがおおよそ50000分の1程度です。


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第87号)


今日は、車を取られ電車で行くことになった。東海道・御殿場線と乗りついて、谷峨駅で下車。

定刻を5分程過ぎて、西丹沢行きのバスが駅に着いた。谷峨からは私ともう1人が乗車した。
新松田からはHさんが乗っている。

今日は三連休の真ん中の日曜日で、バスが混雑していると思ったが、天気の悪さだろうか乗客は7〜8名。
天気予報は、台風13号の影響で、曇り夕方から雨です。

乗ってまもなくの、棚沢キャンプ場前バス停で下車。
5人定員の吊橋を渡り、田んぼの中をとおり植林地内の山道に入る前に、沢で水を補給する。
          谷峨駅


始めの標高差200mの急登は、今日の調子を確かめながら、ゆっくり・ゆっくりと歩く。
道は歩きやすいように、ジグザクに付けられており、植林地から上は自然林となり、明るく気持ちが良くなった。

標高400mからは、尾根の左側をトラバースして小さな沢を渡り、左の尾根に移る。
しばらくは急登りで、また、尾根の左側をトラバースし稜線の鞍部に出た。
番ヶ平の道標はなく、番ヶ平はどこだろう。 ここまで約2時間のキツイ登りでした。

s−okさんが湯本平から登られたP867・P648に続く稜線の入口には。「登山道ではありません」の注意看板があり、その先には
はっきりした踏み跡がありました。



        
           番ヶ平(稜線)


りんごをかじり、ゆっくり休憩した後、尾根を進むと林道に出ます。ここに番ヶ平の看板がありました。

ここからはゆったりした尾根歩きとなり、不老山の山頂(928m南峰)です。ベンチが2脚ありました。

小山駅への下り口の北峰で昼食にします。残念ながら富士山は雲の中、湯船山が存外と大きく見えます。
その下にある「樹下の二人」には、2人の登山者が見えます。

今日の昼食は、カレーうどんとパン、ビールにウイスキー少し、今日は電車です。
仕上げは、苦いコーヒーとアーモンドチョコ、これが結構良く合います。
            
            
           林道



下る前にもの一度、湯船山・丸尾山・椿丸を眺めると、西丹沢を「すり鉢」のふちのように囲む国境尾根も遠く霞んで見えます。

国境尾根は、世附峠〜白石峠間を日帰り3分割で歩き終わり、静岡県との境を今日小山まで歩けばほぼ終了。
後は、大群山北側の山梨県との境を、両国橋方面に歩けば当初の予定は終わります。

国境尾根には、自然林の静かな尾根がありました。
特に良かった区間は、

「菰釣山〜山伏峠〜高指山〜鉄砲木ノ頭」 ・ 「明神峠〜湯船山〜峰坂峠」 ・ 「籠坂峠〜三国山」の間です。

         
         不老山山頂

北峰山頂には、「岩田さん」と「小山町の金太郎」2種類の道標があります。

これから小山までの下りが今日のメインで、後半は地図読みが楽しめそうな区間もあります。

始めの鉄塔までは、ゆるやかな下りです。

明確な道を下り鉄塔を過ぎると、「この先70mに重大道標あり」の道標がありました。
いよいよ紛争の場所を暗示させます。



       
         一本目の鉄塔




「30m先に林道あり」と「56本の道標をすべて1本も残らず破壊されました。この非道、天人、許さじ」と書かれた道標がありました。

尾根には、トラロープと進入禁止の注意書看板。



         重大道標


先日「未踏の岐阜県境800キロを踏破」という本を見ました。
「県境」「ヤブ尾根」「峠」いろいろとこだわりをもって、山を楽しむ方法があるものです。
「yamanoko」のこだわりは、「ブナ林の静かな山歩き」です。
ブナや自然林の静かな場所が好きです。たとえば「弥七沢ノ頭」「ショチクボ沢ノ頭」のような場所。
「天王寺尾根」や「堂平」も好きです。
それと地形図を読んで山を歩くことも好きです。(時々GPSのお世話になりますが)
でも、ガレで道が無くなり、それを越えるのに緊張で口の中が「カラカラ」になったりしますが、
地図を読んで下山できた時はとても幸せな気分です。

今後も「静かなブナ林」・「地図読み」とこだわってやって行きます。
     
      二本目鉄塔(P614先)



トラロープを直進しました。 進むとP614の肩で、道が2つに分かれます。
右方向は、尾根をトラバースし鉄塔下に行くと道。 左はP614のピークに進む尾根道です。

正面の鉄塔下では、ヤブが深く道が無くなりました。 分岐地点まで戻り、P614のピークに行って現在地を確認。
また戻り、鉄塔下でヤブを掻き分けて道を探しましたが、明確な道はありません。
そのまま進むとはっきりした踏み後に合流しました。

鉄塔手前左下に、ヤブの中を下る道がありました。それを下ればこの道に出たかもしれません。
その後明確な道は、尾根を通らず右・左とピークを巻いて進みます。



           道標残骸


次は、谷ヶ山(P529.9のピーク)の肩です。ここも道が2つに分かれています。岩田さんの破壊された道標の柱が残っていました。
          
「谷ヶ山」について、

御殿場線の駅名は、「谷峨」ですが、駅周辺の部落名は、「谷ケ」と書かれています。山北町に合併される前は「谷ヶ村」でしたので、「谷ヶ」が正しい地名だと思います。

ここもやはり国境紛争がらみで、この山は国境付近にあるので、「谷ヶ村」のものだという意味で、「谷ヶ山」としたのでしょうか? 「これは推測です」




左は、谷ヶ山を巻いてP419から「城山」に向かう尾根です。

城山のある場所は、鮎沢川と河内川の合流点であり、道の合流点でもあります。

この城は、武田の軍勢を討つために、造られたのでしょうか?

これから先は、生土に下る予定ですが、先に道があれば歩ける場所まで国境を歩きたいものですが、
P484からは沢を下っています。

P484の肩です。ここまでの途中に、右に分岐する道がありましたが、生土と書かれていなかったので、
直進しましたが下れば「不老の活路」だったかも。

       谷ヶ山肩(左・城山方面)


P484から少し先に、昔お茶畑だった場所があり、その先には、建物の残骸が散乱しています。

2万5千分の1の地形図に書かれている、小山町と言う字の「山」の字に向かう尾根を進みます。

この先尾根の道は、不明確ですが途中でしっかりした道に出てから、「明神線鉄塔12号」の下に出ます。

ここからは鉄塔管理道があり、黒プラスチックの階段や急な斜面は手すりが取り付けられています。

尾根をはずれ沢に下って行きます。 国道246号線の下をくぐり、人家のある場所に出ました。

「不老の活路」入口には、トラロープと作業道につき、進入禁止の注意書きがありました。


      P484肩(右側を進み)





お寺の前を通り、生土交差点(岩田さんの撤去された道標が沢山ある場所)で、橋を渡り小山駅に向かいました。

途中の酒屋で、ビールを仕入れ駅のホームで電車を待つ間、正面に下った尾根を見ながら、乾杯しました。

電車がゆっくり来てくれることを祈りつつ・・・・・・・。

    三本目鉄塔(明神線NO12)
    (良く整備された管理道あり)

明神線NO12 鉄塔管理道 不老活路入口 R246下

あとがき

不老山から県境尾根を下った感想ですが、小山駅から山へ
のアプローチは林道歩きが長く、登山者から敬遠されがちです。
それに比較し、不老の活路は国道246号まで、
山の中を歩くことできる唯一のコースです。
不老の活路の是非なる復活を期待いたします。
活路入口


「不老の活路」の復活願い

私は三国山・湯船山・明神峠などが好きな中高年のハイカーです。
私のような中高年登山ブームの中、「樹下の二人」付近の「サンショウバラ」は、
西丹沢のヤシオツツジ同様に、ハイカーの間では、花の名所として定着しました。
「サンショウバラ」は、素朴な「ヤシオツツジ」とは違う豪華さがあります。

また、この山域にある岩田さんたちの道標は、歩く人を楽しませてくれています。
これは誰もが思うことで、印象に残る丹沢で一番楽しい道標です。
しかし、小山駅からのアプローチはバスが無く、長い林道歩きを敬遠し
明神峠や山市場を利用しています。先日、不老の活路(不老山から生土まで)を歩きましたが、
246号まで山の中を歩くことが出来るコースでなかなかいい道で関心しました。

不老の活路(不老山から生土まで)の復活と岩田さんたちの道標の復活をお願いいたします。

「サンショウバラ」・「不老の活路」・「岩田さんたちの道標」この3つを使用すれば、
小山駅からのハイカーをうまく誘致できると思いますがいかがでしょうか、是非ご検討ください。


以上を小山町に意見としてメールしました。


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