西丹沢・菰釣山〜高指山〜鉄砲木ノ頭

パノラマ台から富士山

【日 時】 2006年5月5日(金)  3人(Hさん・Kさん)  晴れ曇り       GPS 軌道
【コース】 自宅 4:30 〜246号丹沢湖入口コンビニ 5:30 〜 パノラマ台(車ボテ) 〜 道志の森キャンプ場 7:00 〜 
西沢菰釣山登山口 7:16 7:20 〜 ブナ沢乗越 〜 菰釣山避難小屋 〜  菰釣山 8:55 9:10 〜 ブナノ丸 9:33 〜 
油沢ノ頭 10:05 10:15 〜 樅ノ木沢ノ頭 10:32 10:35 〜 西ノ丸(石保土山) 11:36 12:30 〜 大棚ノ頭
 13:08 13:10 〜 富士岬平 13:50 13:55 〜 切通峠 14:4014:50 〜 鉄砲木ノ頭 15:40 15:50 〜 
三国峠 16:05 〜  道志の森キャンプ場(車回収) 17:00 〜 自宅 19時頃   
【資 料】 25千分の1地形図 「御正体山」 「駿河小山」 「昭文社 山と高原地図28 丹沢」
【始めに】 甲相国境紛争が発生した国境のうち、前回は甲州と駿州境の籠坂峠〜三国山、甲州と相州境の三国山〜世附峠間を歩きました。
今回は、その続きの三国峠〜菰釣山の間を歩いて来ました。

当初、菰釣避難小屋に泊まる計画も考えましたが、GWで混雑が予想されるので、車2台を使って日帰りで歩ける範囲にしました。

前回の三国山・明神山・湯船山は、自然林が多い気持ちの良い尾根でした。今回も全コース自然林の気持ちの良い尾根で大満足の国境歩きとなりました。




      パノラマ台から御正体山方面

前回と同じメンバーのHさん・Kさんと、定番となったR246丹沢湖入口前コンビニに集合し、今日歩くコースを話し合いました。

(案1) 菰釣山〜高指山〜切通峠〜平野

(案2) 菰釣山〜高指山〜鉄砲木ノ頭〜パノラマ台

打合わせの結果は案2で、頑張って鉄砲木ノ頭または三国峠まで歩くこととなりました。



駿河小山市街から明神峠への道に入り、三国峠を越えた先のパノラマ台に、Hさんの車を置きました。パノラマ台周辺には、沢山のカメラマンの車が駐車し、ドーンと構えた富士山を撮影中です。


山中湖畔まで下り、道志村への道に入り、山伏峠を越え「道の駅どうし」を右折、道志の森キャンプ場から三ケ瀬川西沢は入りました。

パノラマ台からここまで、30〜40分以上走りました。この距離を1日で歩くことが出来るか不安となります。

キャンプ場は、GWでテントがいっぱいです、新しいテントが張れる余地はありません。

西沢に入りキャンプ場先にある別荘の前を過ぎ、少し先に駐車しました。

林道を歩いた結果わかりましたが、車は奥の登山口まで入るとこが出来ます。








林道ゲートの先に、「菰釣山」「登山口1時間25分」と書かれた道標があり、ここから山道に入ります。始めは沢から離れますが、そのうち沢に戻り沢の中を登ります。

段々と傾斜が増し、沢の二俣から左側の沢に入ります。









水が枯れ、沢の詰めのガレ場を登るとブナ沢乗越に着きます。

分岐には、白い道標がありますが字が薄れ何も読めません。




稜線に出てから一般道を少し歩くと、東海自然歩道共通の容した菰釣避難小屋です。内部は綺麗に清掃され、気持ちの良い小屋で宿泊したくなります。定員は7〜8名位でしょうか。

昨夜はさぞかし混雑したことと思われます。外にテントを設営した2人組がテントを撤収中でした。

小屋のノートを読んでいると、大栂から菰釣に登った人が2名記録を書いています。その中に二階堂さんのお名前がありました。

二階堂さんからM−Kさんに、富士見峠・織戸峠・大栂・菰釣山を歩くよとメールがあったそうです。
それを聞いていましたのですぐにわかりました。




避難小屋からしばらくの登りで、ソラー発電がある山頂に着きました。

菰釣山からは、天気が良ければ富士山が正面に見えるはずですが、今日はガスがかかり残念です。

それより、大栂への入口が気になりました。しっかりした道が付けられています。何時か歩いてみたい尾根です。

考えたコースは、道志の森キャンプ場に車を置いて、ブナ沢乗越から菰釣山〜大栂〜富士見峠〜(尾根コース)地蔵平〜城ケ尾峠〜道志の森キャンプ場です。





次のピーク、「ブナノ丸」には、スカイバレーキャンプ場と書かれた赤い道標があり、前ノ岳を経てスカイバレーキャンプ場・白井平に下る道です。
しっかりした踏み後が続いています。

また、前ノ岳手前の富士見峠を右折し、高指を経由して道志の森キャンプ場まで「山と高原地図」に黒の破線があります。







油沢ノ頭手前には、dnさんが登られた、水ノ木菰釣橋からP970峰・P1192峰を経て稜線に出る尾根がありました。

M−Kさんも水ノ木沢を詰めてここに登れたようです。?

踏み後はありませんが、入口には境界杭459と赤いリボンがありました。





菰釣山からの稜線は、展望はありませんが、自然林だけの尾根で、気持ち好い山歩きが出来ました。





樫ノ木沢ノ頭手前には、ビリ沢歩道が稜線に出る場所と思われる、境界石「丁499」と赤テープがありました。

ビリ沢歩道とは、

「金山沢の西沢と樫ノ木沢の合流点から取付く尾根で、平塚営林署で販売している林班図に記載されている山林管理道ですが、今は使えない道が沢山あるそうです」

やはり踏み後はありません。






西沢ノ頭には、地図には記載されていない道志側に下る踏み後があります。

奥道志キャンプ場に下れるのでしょうか?、






石保土山で昼食にしましたが、今日は風が強くベンチの下に降りました。

食事が終わり、コーヒーを飲んでいると山伏峠方面から着た単独の方が休憩しました。その人は神戸の方で、大阪箕面から東海自然歩道を歩いているそうです。ここまで来るのに6年を要しました。

今まで歩いた中で、平野〜菰釣山〜畦ケ丸間が一番山が深いそうです。




東海自然歩道とは・・・


東海自然歩道は東京の「明治の森高尾国定公園」から大阪の「明治の森箕面国定公園」まで太平洋メガロポリスの背後を通り、緑豊かな自然と貴重な歴史を伝える文化財を尋ね、心身の健康と安らぎを与える全長1697kmの歩道です。

この歩道は昭和44年厚生省(現在の環境庁)が我が国で最初の長距離歩道構想として発表し、国民の大きな支持を得て昭和45年度から事業に着手したものであって、国民共通の遺産であり誇り

でもある美しい日本の自然を国民の誰もが心ゆくまで探勝できるようにという願いがこもっています。また歩道を含む周辺一帯のほとんどが国立、または国定公園地域となっており、沿線の自然は法

律によって保護され、都市化や産業開発によって失われようとする自然の防波堤の役目も果たしています。




今日は、菰釣避難小屋泊まりで、明日は神戸に帰るそうです。

次回は、犬越路から袖平山ですが、檜洞丸から蛭ケ岳を経由するそうです。丹沢を歩くのであればその方がお勧めです。

高尾の終点は、もう少しです。頑張ってください。




次は、ベンチのある水ノ木分岐です。しっかりした道が高く聳える西丸に続いています。
是非ここも入ってみなければなりません。

考えたコースは、dnさん推薦の山伏峠下に車を置いて、山伏峠〜大棚ノ頭〜西丸〜東丸〜大棚橋〜パラシマ峠〜大棚ノ頭〜山伏峠です。

何時実現出来るでしょうか。




大棚ノ頭から先を歩くのは今回が初めてです。自然林の気持ちのよい道がまだまだ続きます。

ここからは、春さんがようこそ山へに書かれている「送電鉄塔に関する情報」にもありますが、明神峠までは送電線が多い場所です。

今度は、送電線巡視路を調べながら歩いてみました。

鉄塔巡視路の調査ベージ




高指山の手前にあるカヤトのはら富士岬平に着きました。ここまで長い林の中の道でしたが、急に前面が開け山中湖と富士山が見えます。
すばらしい景色です。まだ、遠くに鉄砲木ノ頭やガスをかぶった三国山が見えます。

富士岬平を下ると、パラシマ峠です。名前の由来は知りませんが、響きのいい名前のです。世附川に下る道が続いています。

林班図を見ると、パラシマ沢に沿った林道は、地形図よりかなり先まで伸びており、峠から簡単に林道に下ることが出来そうです?

高指山も抜群の展望です。霞んではいますが富士山の裾野が綺麗です。





ゆるやかな山稜を下ると切通峠で、峠はまさに「切通し」地形になっています。峠は古くから山中湖平野から世附、特に大棚付近を結ぶ道として利用されており、現在も利用頻度の高い峠です。

平野側では、「吉政峠」と呼んでいたようです、峠の下には吉政という地名がありました。






切通峠から鉄砲木ノ頭へは、しばらく長い登りが続きますが、バイケイ草がある綺麗な道でした。

鉄砲木ノ頭は、様子が一変し細かな火山岩の山頂で展望は最高で、富士山の写真を取るならここです。



見晴らしの良い道を三国峠に下ります、正面は三国山です。

三国峠は、甲州側では綱峠と呼ばれて、甲相国境紛争には、たびたび登場する地名です。







あとがき


今回は長いコースでした、前半は展望のない樹林帯。後半は山中湖や富士山の景色のすばらしいコースです。その変化が楽しく、鉄砲木ノ頭までさほど長くは感じませんでした。

前回の三国山・明神山・湯船山も自然林の楽しい尾根でした。今回の国境尾根も好きなコースになりました。

国境尾根の続きは、菰釣山〜畦ケ丸〜大群山〜鐘撞山ですが、@ブナ沢乗越〜モロクボ沢頭〜白石峠 A白石峠〜加入道〜大群山〜鐘撞山の2分割です。

青根から鐘撞山・大群山への尾根については、以前s-okさんからこんな情報を頂きました。

「現在では大群山を中心にした尾根筋を境界にして、南側は相州(神奈川県)、北側は甲州(山梨県)となっているが、旧幕時代には国境紛争のたえないところだった。そしてとうとう江戸の老中が裁定に乗り出す騒ぎにまで発展し現在のような行政区分に落ちついた。大群山から北東に落ちている小尾根をカヤノ尾根といい、道も踏まれているが、別名をカゴ尾根という。これは国境裁定の検分のため、老中が駕篭で登降したからだという。」
「丹沢・道志山塊・三ツ峠」(山と渓谷社:昭和50年版)

楽しみな尾根もあります。

Hさん・Kさん今回もお世話になりました。

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