青い空(高指山の下りで、当然富士山も綺麗でした)
【日 時】 | 2006年12月29日(金) 単独 晴れ |
【コース】 | 自宅6:30〜平野駐車8:55〜切通峠9:15〜264鉄塔9:30〜丸尾山10:25〜p918・11:15〜大棚橋12:20〜切通橋13:00〜バラシマ林道終点14:05〜バラシマ峠14:40〜高指山14:55〜平野駐車15:20〜自宅17:20 |
【資 料】 | 2万5千分の1地形図 「御正体山」」 ・ 「誰も知らない丹沢」(岡澤重男著)切通峠〜丸尾山〜馬印を参考としました。 |
【始めに】 | 「菰釣山〜大栂〜富士見峠〜地蔵平〜城ヶ尾峠」は来年におくり、正月の準備で忙しい中を、山ノ神に30日31日は一生懸命に働くことを約束し丸尾山に行ってきました。 ダニも凍る冷たい強風の1日でした。丸尾山から大棚付近の林道への下降は、p918から難しい地図読みが要求されましたが、GPSの力も借りて、s−OKさんと同じルートで下りました。 帰路は、昔平野部落の人が水ノ木への入山ルートとして利用した、切通峠と同じ意味を持つ「バラシマ峠」を経由し、平野にくだりました。 バラシマ林道からは、鉄塔管理道を利用し、簡単にバラシマ峠に登れるものと予想しておりましたが、使う人はなくひどく荒れた道でした。 |
カシミール3DとハンディGPSを使用して作成した「GPS軌跡」のページです。軌道が切れたり飛んだりしていますが、
修正してありません。そのような場所は、衛星の電波を受信できない杉林のような場所です。
また、軌道は、1分隔で記録しております。また、画面の大きさに合わせて縮小していますので、
正確な縮尺はわかりませんがおおよそ25000分の1程度です。
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第87号)
世附山(西丹沢世附川流域の山々)は、神奈川・山梨・静岡の3県が境を接し、その境はすりばち型をして世附川流域を囲んでおります。
そのすりばちの底にあたる部分が水ノ木で、その底に向けて3本の大きな尾根が下りています。
それぞれの尾根には、「西丸・東丸」・「丸尾山」・「大栂山・椿丸」という山があります。流域はほとんどが国有林で、植林とヤブが多い、山深い場所です。
その中でも一番山深いのが「大栂山」で、「西丸・東丸」・「丸尾山」は、平野や山伏峠から比較的に入り易い場所です。
平野の駐車した場所
車利用が便利なこの地域ですが、雪用のタイヤを持っていない私としては、雪やダニを考えると11月から12月が、この地域に入るベストシーズンのような気がします。
6時30分に家を出て、厚木から松田までは東名を利用し小山町に入ると、三国峠への入口を過ぎてしまい、遠回りの富士スピードウエイから入ったため、時間ロスをしてしまった。
次回は、生土(小山交番前交差点)の信号を過ぎ、川の手前を「金時公園方面」に右折すれば、看板に導かれそのまま三国峠に行くことが出来る。
切通峠の手前
昔駄馬を引いて越えた峠道
三国峠の手前には、世附山が良く見える場所があり車を停めて、今日行く丸尾山を探したがはっきりとわからなかった。
鉄塔銀座であるこの場所は、多くの鉄塔が自己を主張している。
今日は快晴で、冷たい強い風が吹きパノラマ台からの富士山は、山頂部に雲がかかっている。
平野に下り突き当りを右折、民宿の前を通りテニスコートやグランドがある場所で、安心して車を停めることが出来る場所を探したが、しっくりこないので別荘地内も走り回り探したが無い。
お馴染み切通峠
この季節は合宿で利用していないグランドの駐車場に車を入れる。
切通峠へは道標がなく、わかりづらいがルートに入ってしまえば、広い明確な道であっけなく峠についてしまった。
世附山はやはり平野から近い場所であることを感じる。
切通峠は、平野人々が山仕事や駄賃稼ぎで水ノ木に入るために、頻繁に往来した峠である。
今日は右側の鉄砲木ノ頭方面に向い、ひと登りしてすると丸尾山への尾根が分岐する。
西群馬幹線NO264から鉄塔群
一般道と別れ、林のなかに入ると西群馬幹線264鉄塔があり、世附の山並みが一望できるポケットパークになっている。
さらに下ると林道に出て、その先に少し小さい、佐久間東幹線297鉄塔がある。
標高1150mの丸尾山付近
P1068は登らず林道で巻いてしまった。その先林道が分岐する付近には車が一台と停っているおり、何の作業をしているのだろう。
分岐する林道を下りて三ノ沢と四ノ沢の中間尾根をたどれば、P904を通り水ノ木林道に下ることが出来るだろうか?
丸尾山にはそのまま林道を歩いて行き、林道から自然林の気持ちのよい尾根へ入る。
P1150はエアリアの丸尾山山頂。
尾根を下って行くと林道に出るが、このあたりまで来ると車は走れない林道となった。
三角点標高1007.4mの丸尾山
(峠屋さんの標識)
P1007は三角点のある本物の丸尾山で、エアリアの丸尾山の方が標高が高いのだが、なぜこちが丸尾山なのだろうか?
峠屋さんの作成した「かまぼこ山名板」があったが、裏のM-Kさんとdnさんの書き込みを確認することを忘れてしまった。
P918への尾根は丸尾山から直接分岐するのではなく、北東の尾根に入り途中から分岐している。
丸尾山の下りから手前東丸・奥菰釣山・大栂山
尾根に乗るとヤブが出てきたので、ダニ除け対策につるつるした雨具を着込み、虫除けスプレーをかける。
成分に「ディート」の入った虫除けは、ダニに効果があるとのことで使用している。
標高900m平坦付近のヤブを抜けた場所
(余談)
「ディート」は、アメリカ軍がベトナム戦争の時、マラリア予防のため開発した虫除け成分で、それがダニにも効果があるとのこと。
「ディート」は、子供が長期間吸い込むと害があるらしく、こども用には他の成分や「ディート」を少なくしたものが使用されている。
昨年富士見峠から織戸峠を歩いた際、ダニに付かれいやな思いをしたので入念に虫除けをスプレーした。
まばらなヤブの中を進みゆるやかに登ると広いP918の山頂に着く。
ここからが難しい下りで、水ノ木幹線林道に最もゆるく下る尾根を予定(s-kさんが歩いたルート)している。
ピークからは、明確ではない東・北東・北方向に3つの尾根が分かれており、まず中間の北東の尾根にコンパスに方向を合わせる。
P918付近
(余談)コンパスの話(反省をむくめて)
コンパスで、方向を出す時に注意することは、「立ち位置」。
P918から方向を定めるのであれば、ピークの一番高い場所に立たなければならいない。 立つ位置が違うと方向がずれてしまう。
今回の場合は、P918で一番高い位置に立ち、まず北東の尾根に方向を合わせ、尾根が分岐する標高880mまで標高30mを下る。(30mの感覚が大事)
30m下りたら、目的尾根をコンパスを方向をあわせる、ここではまだ尾根の容になっていない。そして50m下ると尾根の容になってくる。現地もそうであれば地図読みは成功です。
私は、P918ではなく、下り始めの900mの位置で、P918と目的の尾根にコンパスに合わせてしまい、実際より北東よりにずれてしまった。
しかし、途中で右手に尾根が見えたので、尾根に乗り移ることが出来た。
標高750m付近 難しい下りを終え
尾根らしくなった場所
そして、最後の分岐は、先程よりわかりやすく、問題なく目的の尾根に乗ることが出来ました。
ヤブで林道が見えないが、GSPで現在位置を確認すると林道のすぐ上に居るようだ。
すぐに林道のガケ上に出た。
標高680付近
かなりの急斜面で、s-okさんは、ここをトラバースで下っている。
私もトラバースに入るが、足元の砂が崩れる。
下に林道があり、ケガをするような場所ではないので、尻すべりで落ちたが、途中の木の根につかまり止まった。
ストックが上に残ってしまったので、枯枝でひっぱり降ろす。
やれやれ林道で小休止。
林道へ下りた急斜面
(尻すべりで落ちた)
前半に比べ、P918からの下りは、テープや踏み後がなく、結構難しい下りだった。
後半は、切通峠を越えて帰るか、バラシマ峠を越えて帰るか、迷ったが初心貫徹で、バラシマ峠にいってみる。
降りた場所にある林班界
切通橋は渡らずそのまま直進してバラシマ林道に入る。
切通橋付近にある、東丸・西丸の鞍部に登る「金山第1歩道」の入口らしき場所を見つけた。
この道が稜線まで続いていれば、東丸・西丸に登るために、この道を利用してみたい。
金山歩道は、金山沢にあった製材所と切通峠を結ぶ、近道として利用されていた道であるかもしれない。
切通橋にある道標(真直ぐバラシマ林道へ)
切通橋から先、右側の沢の奥に車が一台駐車している、その先には沢にそって道が続いているようだ。この上は西丸。
林道が沢を渡り、しばらく進んだ先の左側に、「佐久間東幹線300鉄塔管理道入口」、すぐその先右側には、同じく「301鉄塔管理道入口」がある。
行く先がわからない管理道には、入ることができない。後にHP「青空に雲が光る」を見て登った記録を見つけることが出来た。
今日は、林班図にある平野の人が水ノ木に入るために利用した「バラシマ歩道」を歩く予定だ。
バラシマ林道から佐久間東幹線301鉄塔巡視道
段々と林道は荒れて、車は走ることは出来ない道になってしまった。
尾根を回りこむ場所で、林道は無くなったが踏み後が続いているので、奥まで行ってみたが沢に入り道は消えた。
尾根を回り込む場所まで戻って、尾根の先端を探したが崩れており踏み後は無い。
ガレを上がって尾根上の道を探してみるが、もし無い場合は、切通峠を越えて戻ることに決めた。
まだ、時間はあるが、平野に着くのは暗くなってしまうだろう。
車が走れない林道
尾根の上に踏み後があった、これを行ってみよう。
しかし、馬が通れるような道幅ではないが、林班図にある「バラシマ歩道」に間違いは無いようだ。
ヤブがうるさいが、確かに人が歩いた跡が残っている。
急な斜面を黙々と登って行くと、稜線が近づき急に前面が開け広い道に出た。
標高1050m付近
バラシマ歩道らしき尾根道
その道は、登るもの、下るもの、2方向に続いている。
この道が馬を引いて越えた「バラシマ道」に間違いはなさそうだ。
どこからこの道に入るのだろうか。
標高1070m付近で はっきりした道に合流
広い道をジグザグに登って行くと、「バラシマ峠」道標の場所に着いた。
「バラシマ峠」の由来は、平野に「茨島」と言う地名があり、「茨島」から登る峠だから「茨島峠」でしょうか。
切通峠は、別名「吉政峠」ともいい、平野の吉政から登る峠のため、吉政峠です。
馬も歩ける広い道から峠に
また、水ノ木側の切通橋の上流に「茨島」と言う地名があり、切通橋付近を「茨島落合」と言うそうです。
「茨島」とは、ばらの多いところと言う意味があるそうです。
「峠のむこうへ」さんより教えていただきました。「パラシマ峠」と言うガイドブックも見たことがあります。
昔地元の人が、地図を作成する人から、この峠の名前はと聞かれ、「バラシマ峠」と答えましたが、漢字がわからず、「カタカナ」で「バラシマ峠」としたのでしょうか?
バラシマ峠に到着した
今日の終わりは、高指山から「富士山と山中湖」をめがけて、下って行きます。
振返ると「青空とカレ草」なんと綺麗な空だろう。
頑張った後に、すばらしい景色の「ごほうび」をもらったようでうれしい。
ますます、この区域が好きになりそうです。
昔平野の人も朝早くから世附山に入り、仕事や駄賃稼ぎを終えて我が家に帰る途中、峠を越え山中湖と富士山を見て、ほっとした気分になったかも知れません。
高指山から
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