世附山(西丹沢)・金山第1・2歩道

 金山歩道と製材所跡の調査


カシミール3Dカシバードで作成

【日 時】 2007年12月2日(日) Hさん 曇り・晴れ   
【コース】

自宅 5:15〜渋沢Hさん宅6:30〜山伏峠下駐車場 7:45 〜トンネル道志側 8:00 〜大棚ノ頭  〜 西群馬幹線258鉄塔 〜 301鉄塔管理道入口(ベンチ) 8:45〜東佐久間幹線 301鉄塔   9:00〜  バラシマ林道9:25 〜 バラシマ橋9:40 〜 切通橋 10:07 〜 金山第一歩道入口 10:10〜  標高830稜線 11:00〜 金山峠(仮称)11:35  〜 (金山第2歩道)〜  製材所跡 12:25〜 水ノ木林道12:33 〜 樫ノ木林道分岐12:45 13:15〜 尾根取付き 〜  尾根上14:30 〜  馬印分岐(稜線)15:00 〜 水ノ木分岐下15:40 〜 大棚ノ頭15:55 〜 山伏峠 16:15 〜 山伏峠下駐車場 16:25 〜石割の湯 16:40 17:35〜 自宅 19:50

【資 料】

25000分の1 「御正体山」
ようこそ山へ  
俺の山紀行
ドブ鼠俳諧記  

【始めに】
旧版地形図(2万5千分の1)「御正体山」を見ると、水ノ木周辺には3ヶ所の製材所と思われる建物記号があります。

また、山中湖村史には、丸三・丸高・丸五と呼ばれている製材所又は製板所があったと書かれています。

前回、馬印(織戸沢出合附近)と水ノ木(菰釣橋附近)を調査したところ、建物があったことを示す、トタン屋根の一部や整地された場所を見つけることが出来ました。

今回は、さらに山伏峠に近い金山沢に沿った建物跡と平野部落の人達が駄賃稼ぎで、製材所へ行くために利用した近道ではないかと思われる、また、林班図にも書かれている金山第1・2歩道を歩いて見ました。 


結果は、金山歩道で金山沢に下り着いた場所には、かって生活があったことを示す、一升瓶・皿の欠片や高橋とかかれた一升徳利等が散乱し、その痕跡を見つけることが出来ました。

また、金山歩道を歩いてみると、必要以上に勾配が緩やかで、馬が歩くことを前提に造られた道であることがわかります。この歩道は、平野部落の人々が、製材所に行くために、また、山仕事で利用した道であることは間違ないと思われます。

戻りに使用した山伏歩道は、尾根上には道がありましたが、取付きが分からず、地形図に書かれている道を探しましたが、見つけることは出来ませんでした。



旧版地図 「御正体山」




GPS軌道

カシミール3DとハンディGPSを使用して作成した「GPS軌跡」のページです。軌道が切れたり飛んだりしていますが、
修正してありません。そのような場所は、
衛星の電波を受信できない杉林のような場所です。
また、軌道は、1分隔で記録しております。また、画面の大きさに合わせて縮小していますので、正確な縮尺はわかりません。


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第87号)



朝まだ暗い5時に家を出て、
Hさんの家がある渋沢に着く頃には、東の空が明るくなって来た。

今日は、山伏峠が起点なので、車1台で出発する。

いつも三国峠を越えると、目の前に大きな富士がそびえるが、今日は雲に隠れている。

しかし、山中湖の湖面が朝霧に包まれ、幻想的な景色を醸し出していた。

今日は、晴天が望めそうもない、すり鉢の底のような世附山に入るのに、ガスに覆われた森を歩くでは気分が悪いがやむ終えない。



山伏峠手前の道路がカーブする場所に、3〜4台車が止められる空き地があり、そこに車を入れて出発する。



トンネルそばの宿泊施設は、営業が再開されていないが周辺が整理され、入口には登山者は道志側を利用するよう書かれた「立入り禁止」の看板が設置されている。

やむなく、道志側から大棚ノ頭に登る。

山中湖側の旧トンネルに続く道路片側には、車が数台止まっており、ここならば駐車は可能のようである。(道志側には駐車スペースは無い)


(山伏峠〜佐久間東幹線301鉄塔管理道を使用して、バラシマ林道・切通峠までは、前回の記録もご参照ください。)


山伏トンネル

県界稜線の上に建つ、西群馬幹線258鉄塔を下った先にベンチがあり、301鉄塔(黄色の道標)と書かれた管理道があります。

よく草刈された道で、登りには使用したくない程急斜面を下って行くと、西丸がすぐ前に見える301鉄塔に着きます。(眺望は300・299鉄塔の方が良い。)



佐久間東幹線301鉄塔管理道入口


301鉄塔から、300号鉄塔へ向かう管理道で、バラシマ林道(荒れた林道)に下ります。

林道を水ノ木方面に下り、切通橋から2〜3分下ると、倒れたカーブミラーのある場所が、金山第1歩道入口で、カーブミラー右側にも道がありまが、金山歩道は左側の植林地内に入ります。

前回は、すぐに植林地内に道を見つけましたが、カヤが伸びてわからなくなっていました。

やむなく、記憶を頼りにカヤを分け進みました。
バラシマ沢

取付いた植林地から、その左側尾根に沢を越えて移動しますが、まったく道がわかりません。

やむなく、ヤブの中を進み、隣の尾根に移動しましたが、ここもカヤが伸びてわかりません。

前回は、カヤの伸びた金山歩道はやめて、カヤの刈られた尾根を歩きましたが、今回は、金山歩道を忠実に辿って見ました。

しかし、途中で道がわからなくなってしまったので、尾根の上に登りました。

ここもヤブが伸びていますが我慢して進み、右側から合流する尾根にトラバースで合流します。



金山歩道入口

合流した尾根は、カーブミラーの右側から取付く尾根で、M−Kさんがこの尾根を登っておられます。

うすい踏跡が残る尾根上の植林地を進むと、二回目に右側から尾根が合流して、880mピークに着きます。
第1番目の尾根合流点から(紅葉した木の尾根を登った)



このあたりから右側に金山峠が見えるようになります。

平坦な尾根を進むと左下から。ここまで山腹をトラバースして来た金山第1歩道が合流します。

第1歩道は、下りに使った方が旧道を見つけやすいかも知れません。

または、雪でカヤが倒れる3月頃が、旧道を見つけ易いかもしれない。今回は、下部は全く道がわかりませんでした。

峠を見る

金山峠へは、急な登りが始まる手前でトラバース道に入りますが、ここも3月と比べ草が伸びて道がわかりにくくなっていました。真直ぐ尾根を進むと西丸へ向かってしまいます。

峠を見ていれば、道は見つけ易いと思います。

途中に石積があるトラバース道は、危険な場所は無く(仮称)金山峠に着きます。

金山峠は、峠の雰囲気がする場所ですが、残念な処はササに覆われ休むところがないことです。
(仮称)金山峠


峠は十文路で、右は東丸へ、左はヤブの深い西丸へ、今日は休みも取らず峠を越えて、うっすら続くトラバース道を下りました。

dnさんから、始めのガレの部分は少し危険だが、後半は問題なしと情報を頂戴しております。

峠からの下り

第1歩道とは、比べものにならないヤブもない、はっきりした道ですが、斜面がゆるくなかなか高度が下がりません。

峠から1時間だらだらと尾根を巻き、3本目の尾根から尾根上の道になって、金山沢に着きます。

路には、直前の歩いたと思われる登山者の足跡が残されていました。
第2歩道


着いた場所は、支沢が合流している狭い平坦地で、皿のかけらや一升瓶、高橋と書かれた一升徳利のかけら等が散乱していました。

ここは、建物記号のある場所で、まず、製材所跡地であるとこは間違いが無いと思われます。

高橋と書かれた一升徳利が在るということは、「丸高製板?」かも知れません。

今日は時間が無いので、調べることは出来ないので、写真と撮って金山沢を渡り林道に登りました。





平野部落から、バラシマ峠や切通峠を越えて、ここの製材所に向かう場合は、金山歩道を利用した方が近道であるようです。

 しかし、水ノ木(菰釣橋)に向かう場合は、金山峠越えの登りを考えると、利用価値は低いと思いました。

製材所跡地

林道から水ノ木(菰釣橋)までは、おおよそ15分くらいの距離でしょうか?。

林道を上流に進み、樫ノ木林道が分岐する広い場所で昼食にしました。

時間は12時30分を過ぎ、山伏峠への登りを考えるとのんびり休んでもいられません。

カップ麺とおにぎりを食べ、13時15分に出発。

樫ノ木林道は、車が走れそうですが、水ノ木林道は草がかぶっており、走れそうにありません。
林道に出た場所

さて、ここからは対岸の山伏歩道の入口を探さなければなりません。対岸に注意を払いながら林道を進みましたが、終点まできてしまいました。

河原を歩きながら道をさがしましたが、このあたりは斜面が急で、取付ける道はありません。赤のペンキに導かれ、とうとう沢の分岐まで来てしまいました。

地形図に書かれている山伏歩道は、左の沢に入るので進んでみます。分岐は滑滝になっており、右岸に踏み跡で簡単に越えることが出来ます。

道を探しながら、だいぶ上流まで歩いてしまったので、適当に斜面に取付き、尾根を目指しました。


足元が悪い急斜面を、ジグザグに登って行くと、少しづつ尾根上が見えて来ました。

そして、尾根に出た場所は、P1004より少し上で、地形図の道より上流から取付いたようです。尾根上には踏み跡があります。

予定では、標高1030mで合流する支尾根を登る予定でしたので、まるで反対側から登ってしまいました。

予定にしていた支尾根で道を探しましたが、はっきりした道はありませんでした。

しばらく尾根上を進むと、左右からはっきりしている道が2本合流している場所があり、これを下りれば金山沢へ出るかもしれません?

西丸へ向かう尾根道とわかれ、鞍部へのトラバース道を選びましたが、この道は、すぐにトラバースせず、西丸のピーク手前まで登って、トラバースして標識のある鞍部に着きます。

やれやれ、ここまで来ればあとは、ヤブを分けて県境稜線に登るのみです。

今日はアップダウンが多く、太ももが重い体重を支えきれず、悲鳴を挙げ出しそうです。


これからは、頭を越えるヤブなので、防護服を着て頭からフードをかぶりました。

ひどいヤブ道ですが、良く踏まれていおり、S−OKさんではありませんが足を前に出せば、道は見つかるのです。

しかし、水ノ木分岐への道を外し、トラバース道に入ってしまいガレにぶつかり進めなくなってしまいました。

尾根に登ると、水ノ木分岐のベンチから少し下がった一般道に出ました。


西丸との鞍部

後半疲れましたが、 予定どおりのコースを歩けたので、とてもうれしいなりました。

大棚ノ頭からは、富士の稜線に沈む夕焼けを見ることが出来ました。しかし、もう少し遅くなれば夜道になってしまうところでした。

トンネルから5〜6分下ると、車を止めた場所に着きます。








今日は、第一歩道では、ダニを払いながら歩いたので、石割の湯でダニを落としてから帰ることにしました。

次は、ビリ沢歩道を歩きたいと思っておりますが、dnさんのHPによるとヤブが深いようです。

ビリ沢歩道を登る場合は、道を間違えることはありませんが、深いヤブを登るのは大変そうです。

下りに使う場合は、2ヶ所にむずかしい分岐があり、深いヤブの中で道を見失うことなく下ることは出来るだろうか?

ビリ沢歩道を歩く前に、道志村から「モミノ木沢ノ頭」や「西沢ノ頭」に登る2本のルートを歩いておくことも、必要かもしれない。

これで、3ヵ所の製材所跡の調査がおわり、いずれも建物があったことを確認することが出来ました。

次は、どのような建物があったのか、何人くらい住んでいたかなど、調べたいと思っています。調査する方法は、聞き取り調査しかありません。




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